交通信号機制御

研究背景

年々車両の保有台数は増大しており,交通流の制御が重要になってきている. 交通流制御問題はその改善によって,渋滞の軽減,交通事故の防止,輸送効率の上昇による経 済効果も期待できる. また,現在の主な制御方式は交通管制センターでの中央集中型の制御である. この制御方法では,数多くの信号機を一カ所で制御するため, 交通情報を集めるための伝送のコストが増大してしまうこと, 対象とする信号機が多いために計算量が莫大なものとなってしまうこと, 故障に依る影響が対象信号機群全体に与えてしまうことがある.

交通信号機の制御パラメーター

交通信号機の制御パラメーターには,サイクル長,スプリット ,オフセットがある. サイクル長とは, 「青,黄,赤」と一周の変化に要する時間のことである. 一般に,その信号に流入してくる車が多い場合には大きくなる. スプリットとは, 信号機の各現示に割り当てた 通行許可時間(サイクルのうちの赤以外の時間)の比である. オフセットとは, 隣接する信号機との信号が切り替わるタイミングのずれのことである.

これらのパラメーターのうち,サイクル長とスプリットは信号機単体に適用する パラメーターであり,オフセットは複数の信号機を対象に信号機のずれを考える ものである. ある信号機群を考えたときに,ある一方方向に対してスムーズな走行を実現する オフセットを考えると,上流から下流に向かって信号機の青開始時刻は遅れてい なければならない.しかしながら,交通流は一般に双方向であり,右左折による 合流もある.それら全ての流れに対して最適なオフセットを適用することは不可 能である.

交通信号機の制御方式

交通信号機の制御では,交通流量や,隣接信号機までの距離などによっ て複数の制御方式