ニューロンは次の5つの生物学的知見を単純化してモデル化されている.
1:シナプス前細胞のインパルス情報はシナプスを介して間接的にシナプス後細
胞の膜電位として伝わる.
2:ニューロンの膜電位はシナプスを介した他のニューロンからの影響を総合し
たものにより決定される.
3:膜電位がある閾値を越えたとき,ニューロンは興奮する.この時, 時刻
におけるニューロンの興奮状態
は以下の式で求
められる.
(1) |
(2) |
(3) |
ここで,は閾値電位に対する相対的な膜電位, はニューロンからニューロンへのシナプス部におけるイン パルスの伝達効率を表し,シナプス前細胞からシナプス後細胞への影響を決定す る数であるので結合強度と呼ばれる.
式(1),(2)から分るように,膜電位はニューロンの興奮状態
と結合強度の線形和に閾値電位を考慮して決定さ
れる.ニューロンが発火するかしないかは,の正負によって決定され,
正であれば発火,負であれば静止となる.
この時に用いられる式(3),図2の階段関数は出力関数と呼ばれ様々なものがあり,
例えば図3に表すようなシグモイド関数等が使用される.
また,上記で説明しているのは単層パーセプトロンであるが,ニューラルネッ
トワークには様々なモデルがあり,何種類かに分類される.
例えばニューロンの結合形態では,図4の様に情報が1方向に流れる階層
型ニューラルネットワークや,図5の様にフィードバック結合を有するリカレン
ト型ネットワーク等に分類され,学習方式の違いとしては出力すべき信号を教え
る教師あり学習や,自己組織化マップ(SOM)にみられる教師なし学習等がある.