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工場や病院などにおける自律移動ロボットの学習に基づく分散型制御
KeyWords: AGV,干渉,経路計画,ルール,ダイクストラ法,遺伝的機械学習,自律分散
1、研究背景・目的
 近年、製鉄工場,半導体工場,物流ターミナル施設,病院等における搬送システムでは、 無人搬送者(AGV:Automated Guided Vehicle) が、広く用いられています.
 本研究では複数のAGV間の衝突やすれ違い (衝突とすれ違いをあわせて干渉とよぶ) を防ぐために,個々のAGVが最短経路を算出した上で,干渉が発生した際にはどちらか 一方が再経路計画を行う,ということを繰り返すことで,すべてのAGVが干渉無くかつ最短で目的地に到着する 経路の獲得を目指します.
 AGVの経路計画法は従来,AGVに問題が発生 したときには,一度司令塔を介してAGVに指示 を与える集中型の方法がとられてきましたが, 本研究では問題が発生したAGV同士で交渉し, どちらが道を譲るかを決める自律分散型の方法 を用いています.
2、研究手法
 ○をノード,線をアークとして,1単位時間に1つのアークを移動するものとします. まず,それぞれのAGVにダイクストラ法を適用して最短経路を求めます. すべてのAGV間において干渉がおきていなければ終了, そうでなければ早く干渉が起きたAGV同士から交渉することで,どちらが道を譲るかを決め,再経路計画を行います.
 譲る側のAGVがノード番号と時刻を1ノードとする新たなグラフ上で,アークの重みを増やすことで譲られる側の  AGVが通りすぎるのを待つか, 迂回路を得ることもできます.AGVの交渉はif-then形式のルールに基づいて行われます. ルールはAGVの状態からなる前件部とどちらのAGVが道を譲るかの後件部からなります.
 干渉が起こった両AGVの状態によって決まった前件部がルールの前件部と一致するならそのルールを適用します. 一致するルールがなければルールとの距離を求め,最も距離が短くなるようなルールを適用します. このようなルールは,1つのルールを1つの遺伝子に対応させた遺伝的機械学習を適用して自動的に修正・獲得していきます.

シミュレーション画面